Art of Communication:カンガ、主張する布 展 記録 2013
このカンガ展についてはこのサイトリニューアル以前でしたので
記録がこれまでなされていませんでしたのでここに記しておきます.
期間:2013/5/25~6/30
場所:古代オリエント博物館 小企画展示室
企画:織本知英子(カンガ研究者,ポレポレオフィス代表)
栗栖美樹(インディペンデントキュレーター)
趣旨:ごあいさつより
インド洋に面した東アフリカ沿岸では、季節風を利用して、古くからアラビアやペルシャなどとインド洋交易が行われてきました。その結果、この地域にはアフリカ・バンツー系の文化を土台に、これら外来文化との接触によってイスラームを基調とした独特のスワヒリ文化が醸成されました。このスワヒリ文化を象徴する一つが、‘カンガ’と呼ばれる綿100%、サイズ約110×160cmのプリントテキスタイル。カンガのデザインは、ピンド(pindo)という縁取りとそれらに囲まれたムジ(mji)という中央部、そしてジナ(jina)というスワヒリ語の‘コトバ’で構成されています。美しく力強いデザインだけでなく、一枚一枚にプリントされたこの‘コトバ’は、女性が購入する際の大事な判断基準になっています。
19世紀後半、それまでの階層社会が崩れ、社会環境が変化するスワヒリ社会において、カンガはヨーロッパのスカーフ、アラブの着装、インド更紗などの影響を受け、女性たちの美意識、社会・文化的価値観、そして日々の生活に密着して発達してきました。今回の展覧会では、さまざまなデザインをご紹介するとともに、展示を通じてスワヒリ文化の中で育まれたカンガが、女性たち自身のアイデンティティの形成にどのように寄与したのかなど、カンガと女性たちとの豊かな物語を感じて頂ければと思います。
展示内容:20世紀前半に製作された日本、イギリス製の古い希少なカンガ
現代カンガ数点
政治社会的キャンペーンカンガ数点
ガの歴史資料 調査資料
スライドによるカンガのある風景
マネキンボディによるカンガ着用例
キャッチイメージ写真