先月、タンザニアのダルエスサラーム、ケニアのモンバサ、ナイロビを訪れて、カンガなどのアフリカンプリントの買い付けと視察に行ってまいりましたので、
最新の現地での布事情をお届けいたします。
ここ数年、少しずつアフリカプリントを取り巻く状況は変化してきていますが、
今年は大きな変化がいくつか見られました.
その一つが、タンザニアカンガの変化です。
実はここ数年くらいタンザニアのカンガはポリエステル混合のものが
多く流通していましたが、そのテキスタイルの会社が生産を減少し、
その代り、ほかのメーカーが綿100%のカンガを多く生産するようになりました。
デザインもややカラフルになり、ケニアのモンバサカンガに似た雰囲気を出しているものも増えてきています。
ただ原綿の糸が太く、織が粗いのが残念なのですが。
そして今、ダルエスサラームの女性の間では、「デラ」あるいは
複数形で「マデラ」と呼ばれる服が大人気。
もともとはイスラームの女性が着用する足首までの長い丈のワンピースドレスだったのですが、今、幅広い支持を得ています。
サイズもいろいろ。豪華に金色の飾りが配されたものもあります。
一枚買おうと思ったのですが、いろんなデザインがありすぎて、
また、気に入ったデザインのものは合うサイズがなく、ダルでは断念しました。
写真は、数年前にザンジバルで購入したものです。この色合いがとても素敵です。
さて。
ケニアでは、カンガの色彩やデザインの変化が顕著です。
デザイナーいわく「ランギ・ヤ・ムズング」
スワヒリ語で「外人の色」とか「西洋風の色」といった意味合いです。
確かに、エルメスのスカーフにでも使われているような配色が多く出て来ています。これらは特にナイロビのアッパータウンで、衣服を縫うための素材として利用されているためです.ただ、沿岸部では従来のデザインも人気です。
そして、モンバサでは、新しいブランドのカンガショップが大人気。
現在も昔と同様、モンバサのカンガ業界は熾烈な争いを続けています。