この11月にケニア、タンザニアに行ってきましたが、カンガを取り巻く状況がすこし変化してきましたので、ここにご紹介しましょう。
まずは、ケニア、ナイロビでの変化です。
ケニアでは、数年前より、若者たちの間でカンガに対する意識にかなり変化が見られています。
かつてカンガは「おばあさんが巻くもの」というイメージだったのでしたが、その伝統文化を見直そうという動きがでてきて、カンガを使った最新のファッションもいつくかのショーなどで紹介されてきました。
そしてその動きにさらに拍車がかかり、今や一般女性の間でも、カンガを使った衣服が日常的に着用されるようになりました。
ナイロビの布地ショップで、カンガを買おうとすると、みんながみんな口をそろえて「それで服を縫ったら、絶対スマーティ!」というのです。
中には、カンガでドレスを作って結婚式に着ていくの、という女性もいて、カンガは巻き布から、衣服づくりの生地としての役割の方が大きくなっています。
その動きに呼応するように、カンガのデザインにも変化が出てきました。
従来のカンガ、特にケニアのカンガは、中央部に大きなモチーフが点在するタイプのものが主流でした。
そして色合いも、ビビッドカラーで力強いものがほとんどです。
しかしながら、ナイロビで人気のあるカンガは、色合いもさほど激しくなく、全体的に小さなモチーフが配されるというものが増えてきています。
大きなモチーフですと、布地の仕立てが難しいのですが、小さいモチーフが全体に配されていれば、たちやすいというわけです。
そして色合いも、優しい上品な色合いへと変化しています。
ナイロビのあるショップでは、その柔らかい色合いを「ランギ・ザ・ムズング」(外国人の色=外国人観光客が好む色)とあだ名をつけて呼んでいました。
カンガのデザインも今後、時代とともに変化していくのでしょうか。
ただ、沿岸部では、やはり力強い色あいやデザインが根強い人気なので、さほどの影響はないやもしれませんが。
ランギ・ザ・ムズング カンガの例