今回はケニアにおけるカンガの歴史について、ちとご紹介します。

 

ケニア国内では1975年に設立されたリバテックス社によって本格的にカンガの生産が始まりました。

リバテックス社は、ケニア政府のほか世界銀行、スイス、ドイツの資本協力を得て設立。

主に生産していたのはカンガで総生産量の40~50%を占めていました。

1980年代には、タンザニアやオマーンなどにも輸出するほどでその品質には定評がありました。

カンガが東アフリカに広まったのは、このリパテックス社の高品質のカンガがあったからこそ、とも考えられています。

 

1996年、私はこのリパテックス社に取材に行ったことがあります。

ナイロビから車で約5時間、ケニア西部のエルドレッドという街にその工場はありました。

エルドレッドは高原の中にある街でとても落ち着いた雰囲気だったことを覚えています。

リバテックスの工場には、6台のフラットスクリーン機があり、その時は3台が稼働していました。

最後の2枚ずつに切り分けて出荷する場所ではケニア人のお兄さんたちが、ナイフでシャー、シャーとリズミカルにカットしていてなんだかとても楽しそうに見えました。

 

リバテックス社のカンガは鮮やかな色あいながら、品があって、とてもいい雰囲気なものが多かったのです。

そしてデザインも繊細。

特にモンバサのマリ・ヤ・アブダラによるデザインでリバテックス社製のものはどれも逸品ぞろいです。

 

例えばこんなカンガ。
kanga2-1
kanga11-1
self1-1

いずれも素晴らしいです。

こんな素敵なカンガを生産していましたが、残念ながら2000年に倒産。

その後1年くらい、モンバサのカンガ市場が停滞していた記憶があります。

 

現在は、紆余曲折を経てリバテックス・イースト・アフリカ社として再建されています。

カンガ生産は少ないですが、モンバサのショップオーナーの手によって少しずつ昔のカンガデザインの復刻版が作られています。

いつか昔と同じ品質まで戻ることを期待しているところです。

 

今年は、私の持っている昔のカンガの復刻番を製作してもらおうと考えています。

 

リバテックス社の昔のカンガや復刻ものはこちらでご紹介していますのでごらんくださいませ。
http://www.polepolekanga.com/